<< 戻る >>
TAITO Type-Zero
タイトータイプゼロ
タイトーが1998年から投入したアーケードゲーム基板。
仕様
Main CPU - PowerPC 603e @ 100MHz
Sub CPU - 東芝 TMP95C063F
GPU - TCG020AGP(会津大学と共同研究・開発)
RAM - 32 MB
基板間通信規格 - IEEE 1394
ストレージ - IDE HDD
Sound CPU: MN1020819DA
Sound Chip: ZOOM ZSG-2 48ch PCM音源 PS互換基盤のFX-1BやG-NETでも使用されている。
Sound DSP: ZOOM ZFX-2 デジタルエフェクター
画面解像度 512x384 55f/s CRT 24.89kHz
BIOS: V1.11a と v1.52
2種類が存在し国内外で内容は同一。
マザーPCB側のRAMx2に書き込まれている。
BIOSアップデート用のファイル(SYSROM)はHDD側に用意されている。
(重機EXだけはファイル名が違っているので動作しない)
v1.11aのゲームは初代バトルギアと重機(EX)の2種類のみ。
初代バトルギア基板はドーターPCBに乗っているROM(ソケットの128KBx2)の所為で
初代バトルギアのHDDしか起動出来ないようになっている。
しかしv1.52ゲームROM(何でも良い)に載せ替えれば他ゲーのHDDでも動作するようになる。
I/Oボードを使用する関係で、通信機能があるマザーにはBG2のROMを、
通信機能が無いマザーには電車3のROMを差しておく事をオススメする。
v1.52からHDDにコピー対策(AHO_AHO.SYSファイルチェック)が追加された。
(このファイルはHDDのシリアル番号から生成されていてHDD毎に内容が異なる)
起動時にHDDに入ってるこのファイル内容と実際のHDDシリアルが会うか確認される。
MAMEエミュレーターではチェック部分にパッチを当てて回避しているようだ。
実機にも適応可能との話だが、実際に試した例は確認できていない。
v1.11aマザーでv1.52ゲームを起動すると、強制的に基板のBIOSがv1.52に更新される。
v1.11aタイトルHDDにはAHO_AHO.SYSが無いのでv1.52BIOSが書かれた基板では起動出来ない。
(逆にこのファイルさえHDDにあれば起動するし、v1.11aにダウングレードもしてくれる)
鍵を生成するツールは存在するも出回ってはいない。
使用されているHDD
一番多い:Quantum CR 4.3G(4.3AT CR43A013)
BG2用?:FUJITSU 6.4G MPE3064AT
その他:Quantum Fireball lct 4.3G QML04300LA-A
他にもあったら追記する。
ゲーム容量的には手持ちで一番大きいのがBG2で668M使用、BG2Vでも1G未満だと思われる。
基板構成
Type-ZeroはTAITOで始めてデータ記憶装置としてHDDを採用した基板である。
2枚組のメイン基板(マザー&ドーター)とHDD(ソフト)がシールド内に収まり、
そのすべてが接続されたフィルターPCBが表面に見えている。
マザー、ドーター、フィルターの3種類の基板は
それぞれゲームタイトル毎に若干構成が違ったりする。
大きく分けるとバトルギアシリーズとそれ以外、
細かく分けると、バトルギア、台風、電車、飛行機、重機、卓球と言った所。
(電車とバトルギアにはJC-SYSTEMコネクタ仕様が存在し、フィルターPCBが大きく異なる)
マザーボードの違い
通信対戦機能の有り無しだけ、バトルギアシリーズには有り、その他は無し。
通信対戦機能が無いマザーではバトルギアシリーズが起動しない。
逆の組み合わせでは起動する。
フィルターボードの違い
I/Oボードを接続するRS2端子の有無、裏面のチップの実装数の違い等があり、
タイトル専用ボードも存在する(飛行機JP(サブモニタ接続)、バトルギアSBS、電車シリーズ)。
バトルギアSBSと電車のフィルターはJC-system用のコネクタになっていて
コネクタ部品の入手が楽そうに見えるが、最低限の配線と部品実装なのでオススメしない。
ドーターボードの違い
アナログ軸の使用数によってPCB上のNFxx部品の実装数が違う。
上記は台風マザーの写真、紫ラインの空いてる所に部品入れるか
中央をまたいで左右を直結すれば8軸全部動くようになるが
フィルタ−PCB側も部品が未実装だったりするので両方確認する事。
※中央はGNDなので接触させないように注意、触ると押しっぱなしになる。
使用アナログ軸数(MAX8)。
電車1軸、ドラゲーと卓球3軸、重機4軸(2p時8軸)、飛行機6軸(AT3軸)。
※飛行機は6軸と書いたが4軸目は未使用。
ドータPCB(メインボード上側)に関しては
初代バトルギアとアプデ版BG2はアナログ3軸だが未実装部品がほぼ無いので最高に良い。
8軸改造するだけでほぼ全タイトル動作するボードになる、1家に1台。
※動かないのは飛行機のサブモニタ対応版のみ。
※各ゲームHDDには複製防止の仕組みがあるのでそのままでは動きません。
重機基板は初期BIOSだしフィルターボードも込みで操作系全結線されてるので楽。
ただしメインコネクタ(3x16)下段結線のランプ類が機能しない。
電車のSTARTと遮断機、台風の4モード表示にしか使われてないので必須ではない。
それと通信関連の部品未実装でバトルギア系は動かない。
飛行機基板のサブモニタ対応版はドータPCBが専用基板になっている。
他のゲームが起動するか不明、サブモニタ未対応版は普通の基板なので動くと思う。
どのバージョンを買っても通信関連の部品未実装でバトルギア系は動かない。
電車基板はアナログ1軸しかないし
フィルターボードが特殊かつ最低現の配線しか無いので電車専用にしておくのが吉。
これも通信関連の部品未実装でバトルギア系は動かない。
※特殊フィルターボードは普通の物に交換しても使用可能(全配線確認済み)。
左奥のソケットになっているROMx2(赤丸部分のソケットに刺さっている奴)
これはゲーム毎に内容が違う、RS2端子(I/Oボードと接続)を使うプログラムを含む。
I/Oボードを使用するゲーム(ドライブ系、重機&電車)は
同じI/Oボードを使うゲームROMを差さないとI/O基板を使用するメカが動作しなくなる。
(ハンドル反力、シート振動、レバー振動、アナログ計器等)
重機は電車のROMx2でもI/Oボード(レバー振動、シート振動)が機能するが
重機のROMx2で電車3起動してみた所、I/Oが全く反応しなかった、電車のROMx2を使おう。
(バトルギア系と台風E地域版も同じROMx2でハンドルモーター制御が動くと思うが未テスト)
v1.52BIOSのゲーム基板はHDD交換だけで飛行機JP以外のv1.52BIOS用ゲームがすべて起動する。
(v1.52BIOSマザーにv1.11ゲームHDDを取り付けてもHDDチェック用ファイルが無いので起動しない)
初代バトルギア基板はHDDの交換だけでは他のゲームが起動しない。
しかしドーターPCBに他ゲームのROMx2(BG1以外なら何でも良い)を差しておけば
初代バトルギア基板でもHDD交換のみで他ゲーが起動するようになる。
(v1.11aBIOSのマザーにv1.52ゲームHDDを付けて起動するとBIOSがv1.52になるので注意)
飛行機はJP版のみドーターPCBが専用設計になっていて、サブモニタ機能が追加されている。
(海外版にはサブモニタが無く、メインモニタにすべての情報が表示される)
その為、他の汎用マザー基板では起動しない(お知らせ画面後にブラックアウトする)。
この飛行機JP用ドーターボードを使用して他のタイトルが動作するかは不明。
ということで持って無い人にはよく分からんかもですが、
基本的にはHDDが複製出来ないので欲しいタイトルを基板毎買うしか無いカンジです。
購入にオススメなのはRS1コネクタ付きのBG2(BG1改造品)かな。
一番出回っている基板だし、未実装パーツが少ないので別ゲーHDDと入れ替えてもそのまま行ける。
専用I/O PCBその他
各タイトル毎に主に入出力機器用の機能を動作させる基板が付属し、RS2コネクタに接続される。
バトルギア1と2と台風(E) : ハンドル用モーターPCB
パワーショベルに乗ろう!! : スティックの振動モーター制御x4、シート振動BASS制御x2
電車でGO!3、ダイヤ改正、運転士 : 速度とブレーキ計器制御、シート振動BASS制御x1
台風(J)、バトルギア2V(O) : ハンドル振動用モーターPCB(RSコネクタ未使用)
ランディングハイジャパンJP : なし、サブモニタ増設用にドーターPCBが専用設計
ライジンピンポン : なし、ラケット加速度をアナログ値変換する基板がある?
各I/O基板は未接続でもゲームは起動する。
ドーターボード上のソケットROMx2にRSコネクタ使用するI/O用のプログラムが入っているので
違うI/Oを使うゲームのROMx2が刺さっているとI/Oボードが機能しない。
電車と重機は電車用ROMx2でどちらも動作する。
バトルギア系と台風Eも多分同じROMx2で動作する(未検証)。
映像音声出力。
純正アンプは専用トランスからの独立した電源を使用している(13〜24V)。
(基板電源から12Vを入れるのはBG3ので上手く動かんかったので推奨しない)
元音声はフィルターPCB上の赤白のRCAから直接ステレオで出力されているので
純正アンプが無くてもAVアンプ等に入れれば利用可能。
ただし初期ゲーム(BG1と重機)は音量小さめなのでアンプ必須。
映像出力はRGBとC-SYNC方式。
表示解像度 512x384 55f/s CRT 24.9kHzなのでちょっと環境を選ぶかな。
24KHz対応でC-syncを食えるVGA端子付きモニタならそのままVGA配線すれば映ります。
電源関連。
電源は5.25V/10A 3.3V/12A 12V/4A(AAA-01純正電源スペック)。
ゲームによっては24V電源が増設されている(スタントタイフーン筐体のハンドル振動モーター用)
5.25Vが5V以下になると基板がシャットダウンする。
PCのATX電源やJVS電源(3.3V 5V 12V)が流用可能。
ただし基板上部に5V出力は基板動作中測定で5.25Vに調整せよと指定がある為
出力調整が付いてない事が多いATX電源には若干不安要素がある。
JVS電源を選ぶならビュウリックス筐体内蔵の物が良いかも。
Type-Zero純正電源に似ていて(コネクタ形状以外ほぼ同じ)全電源出力の調整も可能。
サウンドアンプ用電源は筐体では専用トランス(13V)から取っているので
別電源にした方がいいかも。
BASSスピーカー機能が要らないのであればフィルターPCBの赤白ステレオ端子から
ステレオアンプに接続するだけで問題無い。
出力音量はアンプ無しだと弱めなのでテストモードで100%にしておくといい。
BASSシート(電車と重機)、レバー振動(重機)と
前後ハンドル(台風JとBG2V)には別途24V電源が使用されている。
重機レバー振動はI/OボードからGNDだけ配線すれば
モーター側の(+)には好きな電源入れたままという構成でも動作した。
実例が1件だけだが、SSD換装した時だけ起動しないマザーを確認済み。
(SSDがHDD比較で電気を食うので電圧がギリギリだとマザー側の挙動がおかしくなる?)
SSD換装は軽くて静穏なのと基板が熱を持ちにくいのがメリット。
速度的には早くならないです、BG2のOP待ちも24秒位かかりHDDと変わらない。
基板背面FAN。
クソうるさいアイツはバトルギアSBSとその他で違う。
JC-SYSTEM基板の上部ファンと互換させるためかバトルギアSBSだけ12V供給になっている。
その他Type-Zeroは100V交流である。
ゲームソフト
BIOSにリージョン制限は無し、タイトル毎に国内版と海外版(数種類)が存在する。
タイトル毎にバージョン表記があるが、同タイトル同リージョンの別バージョンは無し。
BG2マザー(BIOS v1.52)に他タイトルHDD(BIOS v1.52の物)を載せた場合は
飛行機(JP)以外はすべて起動すると思う(未ダンプゲームは未確認)。
Type-ZeroはマザーやドーターPCBに未実装部品がある場合、それを使用するゲームは起動しない。
(例:通信対戦用の端子が無いマザーではバトルギアシリーズが起動しない)
ソフトを入れ替えるとHDD内の記録(ハイスコア等)が工場出荷値で初期化される。
消したくない記録があるならバックアップしておいて初回起動後に書き戻せば復旧可能。
シール付きのROMがマザーPCBに2つ、ドーターPCBに2つある。
マザー側にはBIOSが入っている、ドーター側はソケットROMx2になっており
ゲーム別でRS端子用(I/Oボードやハンドルモーター制御PCB用)のプログラムが入っている。
電車と重機のI/Oはほぼ同じ物なので電車のドーターボード上のROMx2で重機I/Oが機能する。
(I/O上のROM載せ替えは未テスト、全部乗せしたら1枚で済みそう…)
ゲームのアッパーバージョンへのコンバート作業。
稼働当時BG1=>BG2のコンバージョン時には、HDD交換と共にドーターPCB側のROMx2も載せ替えがあった。
それ以外のゲームはHDDのみの交換だった(当時BG2と重機EXと台風+は自分が作業したので確実)。
(電車3のダイヤ改正、がんばれ運転士へのコンバート時もHDDのみだと推測)
バージョン表記
すべてのタイトルにバージョン表記があるが、
同タイトルでバージョン違いは無い(EXや+等のアッバージョンは別タイトル扱い)。
ただしコンバージョン時にHDDだけ交換してシール貼り忘れの可能性があるので
外観から判定するのが難しいタイトルもある(BATTLE GEAR表記で続編だったり等)
バトルギアのコンバージョンがシール貼り替えなのは確実。
スタントタイフーンとパワーショベルEXとBG2Vも貼り替え、
電車も筐体売り以外にアプデキットがあるので最初の3以降は貼り替えだと思う。
※初代バトルギアと2はSBS版と通常/DX版で若干違いがあるがゲーム内容は同じ。
実装部品の有無
基本的にはゲームで使用しない部品は実装が無い。
フィルターPCB、マザーPCB、ドーターPCB上の実装部品有無により
・通信ケーブルを使用するバトルギアシリーズが起動しない。
・アナログ軸が多いタイトルで操作入力が不足する。
・ボタン入力が多いタイトルで操作入力が不足する。
(入力不足は部品未実装パターンの左右を直結すれば動く)
などが発生する。
※上記テキスト中の"台風"表記はスタントタイフーンの事です。
<< 戻る >>